自分が子供の頃(1990年頃)、シャンプーは毎日するものでした。
美容師の母親も毎日シャンプーしていましたが、
ある日、「昔はシャンプーなんて、毎日しなかった。」と言われ、子供ながらにショックだったのを覚えています。
こんにちは。
リズミカルな新居浜の美容師よごです。
タイトルの◇は、ケミカルを示します。
今日は
ヘアケアの歴史
について。
戦後、液体シャンプーの登場から今に至るシャンプー・トリートメントなどのヘアケア製品の移り変わりを、その当時、流行ったヘアスタイルとともに見ていきます。
①シャンプーの洗浄力の歴史
まずは、シャンプーの歴史をその洗浄力で追いかけていきます。
戦後すぐまでは石鹸で髪を洗っていましたが、1950年代にシャンプーが一般化し、石鹸系シャンプーから粉末の高級アルコール系シャンプーへ変わっていきます。
その後、使いやすい液体シャンプーやリンスが使われるようになりました。
1960年代に液体シャンプーの登場で、洗浄力の強い高級アルコール系シャンプーがスタンダードになりました。これは1980年ごろまで続きます。
1980年代に、朝シャンブーム。朝晩2回シャンプーする人が増え、シャンプーにより、髪表面はざらつきやすくなります。リンスインシャンプーが登場しました。
また、よりマイルドな「アミノ酸系」のシャンプーが登場します。これは特に業務用で広く使われるようになります。「両性界面活性剤」の使用が広まったのもこの頃です。
そして、「酸性せっけん系シャンプー」が登場。アミノ酸系のシャンプーより皮膚に残りづらく、マイルドでした。
1990年代には、ヘアカラーの褪色やダメージを軽減するシャンプーが登場しました。
2000年頃に、洗浄力がマイルドなアミノ酸系シャンプーが、一般にも普及し始めました。
②ヘアトリートメントの歴史
1950年代ころからは、リンスはお湯に薄めて使うタイプ、トリートメントはシャンプー前に使うタイプが一般的でした。
1980年頃から、リンス、トリートメントともにシャンプー後につけるタイプが普及。リンスからコンディショナーへと名称を変え、保護力がアップしました。また、シリコンを配合し始めたのもこの頃です。
1990年ころには、マイルドなアミノ酸系のトリートメントが登場します。
シャギーカットやヘアカラーの普及ダメージヘアの人口が増加して、毛髪内部のCMCを補うようになります。
2000年以降、トリートメントよりもケア成分を凝縮したヘアマスクやヘアパックへと、名前を変えさらに保護力をアップして今に至ります。
また2000年頃には、アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)が普及して、様々な手段で髪を保護することができるようになりました。
③流行るヘアスタイルの推移によるヘアダメージの歴史
1980年ころまでは、髪に過度なダメージを与えるカラーやパーマが爆発的に普及することはありませんでした。
1990年頃にシャギーカットやソバージュが。
1990年代には、ヘアカラーブームが来たり、形状記憶系のデジタルパーマが登場したり。
2000年代には、デジタルパーマよりもダメージが少ない形状記憶系のエアウェーブが登場しました。
2010年代は、暗い髪色が流行り、髪はツヤを重視する時代に。
振り返ると髪のダメージは、1990年代~2000年代がピークでした。
④ヘアケアの歴史
あくまで、一般的な流れを見ていきます。
1970年代までは、毎日シャンプーする習慣はありませんでした。
その後、毎日シャンプーをするようになり、シャンプーとトリートメントをセットで使うように。
1980年頃には、リンスインシャンプーが登場し、強い洗浄力を持つシャンプーにリンスを混ぜることで、洗浄力としては少し弱まりました。
1990年代に、
リンスインシャンプーはやはりよろしくない、という認識が広まります。
また、シャギーカット、ソバージュブーム、ヘアカラーブーム、形状記憶のホット系デジタルパーマの登場で、女性の髪は、今までに経験したことのないほどの傷みを抱えてしまいます。
そこで、シリコンが登場。手軽に指通りが良くなって、ツヤが出るシリコンは、大ヒット。
また、お風呂場を上がってから、髪につけるアウトバストリートメントもこの頃に登場しました。
2000年頃、デジタルパーマよりも傷みにくい、第3のパーマと言われるエアウェーブが登場。それでも毛先がパサパサになる女性が多く、トリートメントでは対応出来なくなってきたため、洗浄力の弱いアミノ酸系のシャンプーが普及しました。
2010年頃から、とくに頭頂部の髪の薄さを気にする女性が増えてきました。度重なるヘアカラーやパーマも原因でしょう。
そこで、頭皮に優しいアミノ酸系の洗浄成分を使ったスキャルプシャンプーが脚光を浴びるようになりました。
私が独断で作ったイメージ。①~③を1つに合わせてみました。
髪が傷みやすいヘアスタイルが流行すると、それに合わせてトリートメントも強いものが市場に出回っていることが分かります。
そして、シャンプーは、強い洗浄→強い保護から、弱い洗浄→強い保護の時代に推移してきています。
しかし、パーマ液やカラー剤はまだまだ強いものが多く、髪や頭皮を傷めやすい時代。
パーマ液やカラー剤が進化し、髪にダメージをほとんど与えなくなったとき、弱い保護力でも綺麗な髪を保てるようになります。それは誰もが望んでいて、そう遠くない未来に実現するでしょう。
結論:
ヘアケアの歴史は、シャンプーとトリートメントのバランスの歴史である。
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