あなたがシャンプーをするときに一番期待している効果は、何ですか?
A.クレンジング効果 (汚れを落としてくれる界面活性剤による)
B.血行促進効果 (頭皮のマッサージや収れん作用による)
C.リラクゼーション効果(香りやモッコモコの泡による)
こんにちは。
新卒の1年生も入ってきて気持ちも高まる美容師よごです。
タイトルの◇は、ケミカルを示します。
今日は
シャンプーの目的
について。
シャンプーの目的は、「頭皮および毛髪の汚れを洗い落とし、清潔に、かつ美しくすること」。
頭皮や毛髪は、フケやほこりなどを受けて汚れやすく、放っておけば薄くなることもあります。最悪、髪が生えなくなることも。こうならないように、健康な髪を保つことがシャンプーの目的です。
ただ、現在のシャンプー市場は成熟してきていて、性別や年齢など頭皮の状態によって、人それぞれシャンプーに求めることが違ってきています。
この記事は3000文字ございます_(._.)_
目次
①シャンプーの目的
頭の汚れ-特に酸化した皮脂-を落として、かゆくならないという目的と、
臭ったり、はげたりして、他の人に不快感あるいは違和感を与えないようにする、という目的があります。
つまり、シャンプーの目的については、2つに分けた方が分かりやすいのです。
前者の、シャンプー剤が作られた目的(界面活性剤によるクレンジング効果)と、
後者の、シャンプーするという行為であるシャンプーイングの目的(収斂剤によるマッサージ効果とか、香料によるリラクゼーション効果)です。
そして美容師の経験上、冒頭の質問に答えるならば、やはり
「A.クレンジング効果」が大前提です。
B.血行促進効果 やC.リラクゼーション効果 だけだと、シャンプーとは言えません。
②シャンプー剤の目的
シャンプー剤の目的は、「頭の汚れを落とすこと」。
シャンプーは洗髪と訳されます。髪をメインに洗うものだと思われがちですが、それはちょっとした勘違いです。
毎日、優しい洗浄力のシャンプー剤で、必要な皮脂が残る程度のシャンプーが理想です。つまり頭皮を第一に考えるべきなのです。
ところが洗浄力に関しては、美容室のシャンプー剤と市販のシャンプー剤で、大きく違っているのが現実です(⑤と⑥で後述)。
シャンプーする人の目的の違いによって、様々な付加価値を持つシャンプーが市場にあります。
以下は全て、最近のシャンプー剤に見られる付加価値です。
・カラーが褪色しづらくなる
・パーマがだれにくくなる
・髪が広がりづらくなる
・髪がまとまりやすくなる
・髪が傷んでいても指通りが悪くならない
・ハリ、コシが出やすくなる
・頭皮が引き締まる
・頭皮がスッとする
・香りでリラックス出来る
など。
挙げれば、キリがありません。
これらの中からいくつか同時に対応しているシャンプー剤も見かけますが、大きく髪に特化したシャンプーか、頭皮に特化したシャンプーかで分けることができます。
③ヘアケアシャンプーの目的
「今の髪の状態が、これ以上悪くならないように、あるいは少しでも良くなるように」作られたシャンプー剤をヘアケアシャンプーと言います。
カラーのダメージ、パーマのダメージ、クセによる広がり、ツヤが出ない、加齢によるボリュームダウンなどです。
髪の悩みの数だけ、ヘアケアシャンプーの種類があると言って良いでしょう。
ヘアケアシャンプーは、今生えている髪のことを第一に考えて作られていまする。
④スキャルプシャンプーの目的
スキャルプシャンプーとは、スキャルプケアシャンプー、スカルプシャンプーなどとも言い、
「髪の生えてくる土壌である頭皮を健康に保つこと」が最優先です。
抜け毛、薄毛、フケ、痒み、炎症など、不健康な頭皮状態を、改善するシャンプー剤が、スキャルプシャンプーです。
スキャルプシャンプーは、頭皮の状態によって大きく2種類あります。
オイリースキン(脂性肌)用か、ドライスキン(乾燥肌、敏感肌)用である。
メーカーによっては、ノーマルスキン(普通肌)用のシャンプーがあったりします。
自分の頭皮の状態をよく理解して、スキャルプシャンプーを使いましょう。
⑤美容院のシャンプー剤の目的
美容院のシャンプー剤は、「美容院で作ったスタイルを出来るだけ長く保つこと」が目的です。
長期的な視点で使ってもらう必要があるため、頭皮や髪、手に負担がかからないように作られています。
美容院で働いている美容師に気に入られないと始まりません。
そのため、美容師・消費者、双方の目線で企画・開発が進みます。
美容院のシャンプー剤は、使い続けるほど、自然な髪に近づいてきます。そのため、パーマやカラーが綺麗に仕上がります。
⑥市販のシャンプー剤の目的
市販のシャンプー剤は、「販売した側に多くの利益をもたらすこと」が目的です。
認知度を上げて、話題にされるような派手な宣伝、イメージが良くなるかわいい容器など、たくさん販売するため、消費者の目線で企画・開発が進みます。
主に豊かな泡立ち、なめらかな指通り、心地よい香りが求められます。
市販のシャンプー剤は、その1回の使用で、違いを実感してもらうように作ってあり、長期的に使用するとパサついたり、重くなってペッタリしてしまう場合があります。
⑦自宅でのシャンプーイングの目的
シャンプーイング最大の目的は、「シャンプー剤に含まれる界面活性剤を、毛髪・頭皮・毛穴に、まんべんなく行き渡らせること」。
それによって、シャンプー剤の「頭の汚れを落とす」という目的を達成しやすくしています。
シャンプーイングにおいては、次のような効果もあります。
・頭皮を動かすことによって、毛穴にたまっている皮脂などの汚れを浮かして落とす
・頭皮を擦ることによって、血行が促進され、毛髪の健康な発育を促す
・血行が良くなり、自律神経の働きを促進させ、新陳代謝を高める
・マッサージ効果により、リラックス出来たり、爽快感が得られる
・ツボを刺激する(美容師は医療行為は出来ないので、そこまで期待しないでね♪)
挙げればキリがありません。
さっと濡らして、シャンプーを軽く泡立て、頭皮をゴリゴリこする様な洗い方では、フケや痒みが出てきたり、炎症を起こしたりする場合があります。
これでは逆効果。長期間続けると、健康な髪を失うこともあります。
シャンプーイングは、ご自宅において自分でする場合がほとんどですが、美容院でシャンプーイングしてもらう場合もあります。
それぞれでまた、目的が違う違う!
⑧お客様から見た美容室でのシャンプーイングの目的
一つは「気持ち良さ!」
自分でするシャンプーイングも気持ち良いですが、誰かに洗ってもらう心地よさは、なかなか味わえませんよね。
軽く記憶が飛ぶ方もいるのでは?
一つは「リラックス!」
ゆったりとしたBGM、緊張感から解放される香り、柔らかくリズミカルな指圧、適度な強弱。いつまでも洗ってもらいた~い♪
一つは家での手間が省ける!
シャンプー自体は、それほど大変じゃなくても、「乾かすのが…」、「スタイリングが…」というのもまた本音。
特にロングやクセっ毛だと、乾かすのに20分、ブラシを入れてまた10分…。これだとさすがに大変です。
美容院で済ませたいですよね。
⑨美容師から見た美容室においてのシャンプーイングの目的
美容師から見たシャンプーの目的は、「美容師がお客様のヘアスタイルのご要望に最大限こたえるため」に、シャンプーします。
・カットやパーマの前のシャンプーは、クシでとかしやすくしたり、髪が自然に落ちる位置を見極めやすくしたりします
・薬剤を使う場合には、最初にシャンプーすることで髪表面の汚れを落とし、薬剤を髪内部へ浸透させやすくします
・ヘアカラー後のシャンプーは、カラー剤を頭皮や髪に残さないようにするため。美容室によっては薬剤で頭皮が荒れないように、また髪にダメージが残らないように、シャンプー後にケアする場合もあります。
ちなみに、パーマの前やヘアカラーの後は、頭皮に刺激を与えないようにシャンプーしなければならないため、少し物足りなさを感じる場合があるかも…。
結論:
シャンプーの目的は、「頭皮および毛髪の汚れを洗い落とし、清潔に、かつ美しくすること」である。
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