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Is the washing ingredient distributed between three kinds?
こんにちは。
所沢の美容院PROGRESS小手指のよごです。
タイトルの◇は、ケミカルを示します。
今日は
洗浄成分の種類
について。
界面活性剤を作るには、エステルにアルカリを加えて酸の塩とアルコールに加水分解します。
…もう少しくだけた表現をすると、油脂を水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)などの塩基を使って、高級脂肪酸塩(カルボン酸塩、界面活性剤)とグリセリン(保湿成分、ただの副産物)を作ります。
なんのこっちゃ。
┐( ̄ヘ ̄)┌
石鹸(陰イオン界面活性剤)は、油と苛性ソーダと水から作ります。
シャンプー剤の界面活性剤も同じです。
その油の違いによって、どんな界面活性剤になるか決まるのです。
シャンプーに使われる陰イオン界面活性剤(洗浄成分)の場合は、慣用的に3種類に分けられます。
アミノ酸系
石鹸系
高級アルコール系
勿論、それ以外の種類もあります。
個人的には、この分け方になんら論理性も長所も感じません。
界面活性剤を作る前の油脂が、カルボキシル基を持っているか持っていないかで分けるべきです。
カルボキシル基を持ってるアミノ酸系、石鹸系と、カルボキシル基を持たない高級アルコール系という分け方がしっくりきます。
感覚的には、カルボキシル基を持っているから刺激が弱そう…とか、
アルコールから界面活性剤を作るのは、なんか大変そうでどこかに無理がありそうだな…、
って分かってくるだけで、認識が少し変わると思います。
お肌に優しいと言われるアミノ酸系の界面活性剤から見ていきます。
①アミノ酸系
アミノ酸系の界面活性剤の元は、
グルタミン酸、アラニン、グリシン
など。
よく使われるのは、ココイルグルタミン酸ナトリウム。
HOOCCH2CH2CH(NHCOR)COONa
※R=C11~C17
グルタミン酸で考えていく。
HOOC(CH2)2CH(NH2)COOH
これをアルカリで加水分解して、
グルタミン酸ナトリウム(界面活性剤)を得る。
HOOC(CH2)2CH(NH2)COONa
至って、シンプル!
石鹸系
油脂に含まれる脂肪酸に、アルカリを反応させて作る。
ステアリン酸、オレイン酸など。
オレイン酸は、
CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COOH
アルカリで加水分解して、
オレイン酸ナトリウム(界面活性剤)を得る。
CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COONa
簡単!簡単!
高級アルコール系
ラウリル硫酸、ラウレス硫酸など。
高級アルコールとは、1分子中の炭素原子数6個以上の鎖式アルコールをさす場合が多い。
高級アルコールを硫酸と縮合重合して、界面活性剤を得る。
アルカリを加える油脂は、分子量が大きいほど、刺激が弱くなる。
そこで、ラウリル硫酸にポリオキシエチレンをわざわざくっつけてラウレス硫酸を作っている。
分子量を大きくすることで、刺激が減る。
ラウレス硫酸塩とラウリル硫酸塩は、洗浄力の強さや原料費の安さがほとんど同じ。
そのため、刺激の強いラウリル硫酸塩は、現在では使われなくなりつつある。
ラウレス硫酸ナトリウムは、こちら。
CH3(CH2)10CH2(OCH2CH2)nOSO3Na
単純な構造のラウリル硫酸ナトリウムを見ていく。
ラウリン酸
CH3(CH2)10COOH
還元して、ラウリルアルコール
1-ドデカノールを得る。
CH3(CH2)10CH2OH
濃硫酸で脱水縮合によりエステルを得る。
ラウリル硫酸エステル
CH3(CH2)10CH2OSO3H
水酸化ナトリウムなどで中和する。
ラウリル硫酸ナトリウム(界面活性剤)を得る。
CH3(CH2)10CH2OSO3Na
ラウリン酸は毒性が低く、石鹸やシャンプーに使われる。
洗浄力を求めるため、一度ラウリルアルコールにしてから、ラウリル硫酸ナトリウムにする。
アルコールから界面活性剤。
ビールから洗剤?
と言えば言い過ぎだが、すごいなぁと思う。
結論:界面活性剤は、カルボキシル基を持つかどうかで分けるべきである。
The carboxyl group is mild.
〈〈美容院のシャンプーと市販のシャンプーの違い
〉〉乞うご期待