シャンプー

◇ヘアケアの歴史◇

投稿日:2017年1月24日 更新日:

自分が子供の頃(1990年頃)、シャンプーは毎日するものでした。
美容師の母親も毎日シャンプーしていましたが、
ある日、「昔はシャンプーなんて、毎日しなかった。」と言われ、子供ながらにショックだったのを覚えています。
シャンプーしてる写真

 
こんにちは。
リズミカルな新居浜の美容師よごです。
タイトルの◇は、ケミカルを示します。
今日は

ヘアケアの歴史

について。

戦後、液体シャンプーの登場から今に至るシャンプー・トリートメントなどのヘアケア製品の移り変わりを、その当時、流行ったヘアスタイルとともに見ていきます。
 

 

①シャンプーの洗浄力の歴史

シャンプーの洗浄力の歴史
まずは、シャンプーの歴史をその洗浄力で追いかけていきます。

 
戦後すぐまでは石鹸で髪を洗っていましたが、1950年代にシャンプーが一般化し、石鹸系シャンプーから粉末の高級アルコール系シャンプーへ変わっていきます。
その後、使いやすい液体シャンプーやリンスが使われるようになりました。

1960年代に液体シャンプーの登場で、洗浄力の強い高級アルコール系シャンプーがスタンダードになりました。これは1980年ごろまで続きます。

1980年代に、朝シャンブーム。朝晩2回シャンプーする人が増え、シャンプーにより、髪表面はざらつきやすくなります。リンスインシャンプーが登場しました。
また、よりマイルドな「アミノ酸系」のシャンプーが登場します。これは特に業務用で広く使われるようになります。「両性界面活性剤」の使用が広まったのもこの頃です。
そして、「酸性せっけん系シャンプー」が登場。アミノ酸系のシャンプーより皮膚に残りづらく、マイルドでした。

1990年代には、ヘアカラーの褪色やダメージを軽減するシャンプーが登場しました。

2000年頃に、洗浄力がマイルドなアミノ酸系シャンプーが、一般にも普及し始めました。

 

 

②ヘアトリートメントの歴史

ヘアトリートメントの歴史
1950年代ころからは、リンスはお湯に薄めて使うタイプ、トリートメントはシャンプー前に使うタイプが一般的でした。

1980年頃から、リンス、トリートメントともにシャンプー後につけるタイプが普及。リンスからコンディショナーへと名称を変え、保護力がアップしました。また、シリコンを配合し始めたのもこの頃です。

1990年ころには、マイルドなアミノ酸系のトリートメントが登場します。
シャギーカットやヘアカラーの普及ダメージヘアの人口が増加して、毛髪内部のCMCを補うようになります。

2000年以降、トリートメントよりもケア成分を凝縮したヘアマスクやヘアパックへと、名前を変えさらに保護力をアップして今に至ります。

また2000年頃には、アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)が普及して、様々な手段で髪を保護することができるようになりました。

 

 

③流行るヘアスタイルの推移によるヘアダメージの歴史

ヘアスタイルの歴史
1980年ころまでは、髪に過度なダメージを与えるカラーやパーマが爆発的に普及することはありませんでした。

1990年頃にシャギーカットやソバージュが。
1990年代には、ヘアカラーブームが来たり、形状記憶系のデジタルパーマが登場したり。
2000年代には、デジタルパーマよりもダメージが少ない形状記憶系のエアウェーブが登場しました。

2010年代は、暗い髪色が流行り、髪はツヤを重視する時代に。
振り返ると髪のダメージは、1990年代~2000年代がピークでした。

 

④ヘアケアの歴史

あくまで、一般的な流れを見ていきます。

1970年代までは、毎日シャンプーする習慣はありませんでした。
その後、毎日シャンプーをするようになり、シャンプーとトリートメントをセットで使うように。

1980年頃には、リンスインシャンプーが登場し、強い洗浄力を持つシャンプーにリンスを混ぜることで、洗浄力としては少し弱まりました。

1990年代に、
リンスインシャンプーはやはりよろしくない、という認識が広まります。
また、シャギーカット、ソバージュブーム、ヘアカラーブーム、形状記憶のホット系デジタルパーマの登場で、女性の髪は、今までに経験したことのないほどの傷みを抱えてしまいます。

そこで、シリコンが登場。手軽に指通りが良くなって、ツヤが出るシリコンは、大ヒット。
また、お風呂場を上がってから、髪につけるアウトバストリートメントもこの頃に登場しました。

2000年頃、デジタルパーマよりも傷みにくい、第3のパーマと言われるエアウェーブが登場。それでも毛先がパサパサになる女性が多く、トリートメントでは対応出来なくなってきたため、洗浄力の弱いアミノ酸系のシャンプーが普及しました。

2010年頃から、とくに頭頂部の髪の薄さを気にする女性が増えてきました。度重なるヘアカラーやパーマも原因でしょう。
そこで、頭皮に優しいアミノ酸系の洗浄成分を使ったスキャルプシャンプーが脚光を浴びるようになりました。

 
ヘアケアの歴史
私が独断で作ったイメージ。①~③を1つに合わせてみました。
髪が傷みやすいヘアスタイルが流行すると、それに合わせてトリートメントも強いものが市場に出回っていることが分かります。

そして、シャンプーは、強い洗浄→強い保護から、弱い洗浄→強い保護の時代に推移してきています。

しかし、パーマ液やカラー剤はまだまだ強いものが多く、髪や頭皮を傷めやすい時代。
パーマ液やカラー剤が進化し、髪にダメージをほとんど与えなくなったとき、弱い保護力でも綺麗な髪を保てるようになります。それは誰もが望んでいて、そう遠くない未来に実現するでしょう。

 

 
結論:

ヘアケアの歴史は、シャンプーとトリートメントのバランスの歴史である。

 

 

〈〈シャンプーの目的
〉〉ヘアトリートメントの目的

 
シャンプー編のサイトマップはこちら

 
〉〉このケミカルサイトのトップページはこちら

-シャンプー
-,

執筆者:


コメントを残す

関連記事

美容院での炭酸水の濃度

◇炭酸水の洗浄力◇

目次1 Detergency of the soda2 炭酸水の洗浄力2.1 前置き2.2 ①油に対しての洗浄力2.3 ②金属イオンに対する洗浄力2.4 ③浸透力3 結論:炭酸水だけでも汚れは落ちる! …

乳化剤と界面活性剤の違い

◇乳化剤と界面活性剤の違い◇

乳化剤はマヨネーズ! 界面活性剤は洗剤! えーっと、違いっていうと、食べられるかどうか??   こんにちは。やっと新卒の1年生と打ち解けてきた美容師よごです。 タイトルの◇は、ケミカルを示し …

ケミカル美容師的水

◇硬水と軟水の違い◇

目次1 What is the difference between hard water and soft water?2 硬水と軟水の違い2.1 シャンプーに関係があるのは、 軟水は泡立ちやすく、 …

ケミカル美容師的に日中頭が痒い理由は5つある

◇日中 頭皮が痒くなる理由5つ◇

目次1 Why does a head become itchy?2 昨日の夜ちゃんとシャンプーしたのに、なぜか頭が かゆい!2.1 ①お湯の温度が熱すぎる2.2 ②汚れを充分に落とせていない2.3 …

ケミカル美容師的皮脂分泌が過剰になる原因

◇皮脂の過剰分泌とその原因7つ◇

目次1 Why is sebum secreted excessively?2 皮脂が過剰に分泌される原因2.1 ①男性ホルモンの増加2.2 ②ストレス2.3 ③過剰な洗浄2.4 ④気温の上昇2.5 …

ケミカルサイト内検索